

釣り船「進誠丸」の元祖は,今は亡き私の祖父です。祖父は和歌山県紀州から真鯛を流行させるために大原港にやってきました。
また,真鯛の漁法でもある「ビシマ釣り」も当時の大原港の漁師達に教え,流行させました。
「大原港に真鯛あり」と有名になったのは,祖父の功績に負うところが大であります。
現在も,真鯛の釣果を楽しめるのも祖父のおかげと感謝しております。
そのようなわけで,今は「進誠丸」となっていますが,以前は「粂丸」と呼び,大原港で「粂丸」と言えば,「真鯛の元祖」として有名でした。
当時より船は新しくなり,現在の「進誠丸」は5船目となりますが,釣り物は昔から伝統のある「真鯛専門」として,その他,季節に合わせてイサキ・ハタ・ヤリイカ・ヒラメ・オニカサゴ・マグロなどもターゲットにし,お客さんに喜んでいただいております。
現在は,その他の漁法として,「マダイスピニングリール」など「1つテンヤ」などが流行り出してきたため,「ビシマ釣り」が減り初めて淋しく感じますが,「ビシマ釣り」もまだまだ終わらせたくはないので,初心者で「ビシマ釣り」をやったことない人は,ぜひ挑戦してみてください。貸し道具もありますし,親子2人で親切丁寧にサポートします。
<<< 参考資料 >>>
【ビシマ釣りについて】
この釣りは昭和のはじめ紀州の雑賀崎の旅船の漁師たちによってこの地にもたらされたものとされている。どんぶりという鉛でつくったつりがね型のものを海中にたたきつけて気泡を発生させ真鯛を寄せ野菜のかぶらに似せた生きエビのついた10号前後の鉛に食わせる釣り方である。つまり1本釣りである。どんぶり打ちは,紀州雑賀崎では使わないのであるが漁師たちは,どんぶり打ちのことは熟知していたのである。つまり,どんぶりも紀州の漁師たちから伝えられたということは周知の事実としてある。
大原地区でのビシマ釣りでの真鯛釣りは,春の乗っ込み時期と秋の荒食いの時期に大きく分けられる。乗っ込みは水深が50~80m,秋は20m前後と極端に浅くなる。乗っ込み期は,水深がやや深いため,どんぶりはやらないが,秋の荒食い期はどんぶり打ちをすることによって非常に効果があると言い伝えられている。カブラは,春の乗っ込みでは,10~12号のカブラに5号前後のハリスを7ヒロとる。秋,6~8号のカブラに4号のハリスとやや細い。 ビシマとは紀州の漁師が水深があり潮流の速い漁場であるところで,軽いオモリだけで釣れる様に考案したものであると言われてる。
つまり、100㍍なら100㍍の糸(テトロン,ラージなど)に0.3から0.6g程度のビシを数かみつけることによって軽いテンヤだけで底がわかり魚を釣ることができる道具なのである。竿もなければリールもない。裸一貫,たった一本の糸と腕だけがたよりの釣りなのでとてもエキサイティングだし,漁師気分にもなれる最高の釣りである。この釣りは難しいと敬遠される人もいるが,コツをつかむとたちまちのめりこんでしまう釣りでもある。